〜閉経とは何か、閉経前後に起こる体の変化〜
女性の体は、一生の中で大きく変化していきます。
思春期に初潮を迎え、妊娠・出産を経験し、そして40代後半から50代にかけて「閉経」という大きな節目を迎えます。
閉経は誰にでも訪れる自然な変化ですが、ホルモンの変動によって、心や体にさまざまな不調が現れることがあります。
「年齢のせいだから仕方ない」
「みんな我慢しているから」
と放置してしまう方も少なくありません。
今回は、閉経とは何か、閉経前後に女性の体にどんな変化が起こるのかについて、わかりやすく解説します🌿
■ 閉経とは?
閉経とは、「1年以上月経が来なくなった状態」を指します。
日本人女性の平均閉経年齢は“50歳前後(48〜52歳)“といわれています。
閉経はある日突然起こるわけではありません。
その前後の約10年間を「更年期」と呼び、女性ホルモン(エストロゲン)が大きく揺れ動く時期になります。
この時期は、体だけでなく心の状態も不安定になりやすく、さまざまな症状が現れやすいのが特徴です。
■ 閉経前にあらわれる体からのサイン
閉経の数年前から、体は少しずつ変化を始めます。これを「閉経前兆期(プレ更年期)」と呼びます。
よくみられる変化には次のようなものがあります。
✳️月経の変化
・周期が短くなる、長くなる
・出血量が多くなる、少なくなる
・ダラダラ続く、急に止まる
✳️ 体の不調
・のぼせ、ほてり、汗をかきやすい💦
・動悸、息切れ
・頭痛、めまい、肩こり
・疲れやすい
✳️ 心の変化
・イライラしやすい😣
・気分が落ち込む
・眠れない、夜中に目が覚める
これらの症状は、女性ホルモンの分泌が不安定になることで起こります。
「ストレスのせい」「忙しいから」と思っていても、実はホルモンの影響であることが少なくありません。
■ 閉経後に起こりやすくなる体の変化
閉経後は、女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少します。
エストロゲンは、月経だけでなく、骨・血管・皮膚・筋肉・膀胱など、
女性の体を幅広く守っている大切なホルモンです。
そのため閉経後は、次のような変化が起こりやすくなります。
🦴 骨がもろくなりやすい(骨粗しょう症)
エストロゲンには、骨を丈夫に保つ働きがあります。
閉経後は骨量が急激に減少し、骨折しやすくなるため注意が必要です。
特に背骨や手首、太ももの付け根の骨折は、寝たきりの原因になることもあります。
自覚症状がほとんどないまま進行するため、定期的な検査が大切です。
🫀 血管や生活習慣病のリスクが高まる
エストロゲンは血管をしなやかに保ち、動脈硬化を防ぐ働きがあります。
閉経後は、
・高血圧
・脂質異常症(コレステロール異常)
・動脈硬化
などのリスクが高くなります。
若い頃は問題なかった方でも、閉経後に急に健診で異常を指摘されることがあります。
🚽 尿トラブルが増えやすくなる
閉経後にとても多いお悩みのひとつが「尿トラブル」です。
・トイレが近くなる
・急に尿意が来て我慢できない
・咳やくしゃみで尿が漏れる
・膀胱炎を繰り返す
これは、女性ホルモン低下により、膀胱や尿道、膣の粘膜や筋肉が弱くなることで起こります。
「恥ずかしい」「年のせいだから仕方ない」と我慢している方が多いですが、治療やケアで改善できる症状です✨
■ 我慢せず、婦人科に相談しましょう
閉経前後の不調は、決して特別なものではありません。
しかし、放置すると生活の質(QOL)が大きく低下してしまいます。
婦人科では、
・ホルモン補充療法(HRT)
・漢方薬
・生活指導
・尿トラブルのトレーニング指導
など、症状に合わせた治療を行うことができます。
「こんなことで受診していいのかな?」と思う必要はありません😊
つらい症状があれば、早めに相談することが大切です。
■ まとめ
閉経は、女性の人生の中で自然に訪れる大きな節目です。
🌿 閉経前には月経や体調の変化が現れやすく
🌿 閉経後は骨・血管・尿トラブルなどのリスクが高まります
正しい知識を持ち、自分の体の変化を理解することで、
これからの人生をより健康に、快適に過ごすことができます。
不安なことや気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください🌸
根本産婦人科医院 院長 根本 央

