男性不妊に対して産婦人科でできること
~妊活は「ふたり」で考える時代へ~
「不妊治療」というと、女性が検査や治療を受けるイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、妊娠は女性だけの問題ではありません。
不妊の原因は女性側だけにあるとは限らず、男性側に原因がある場合や、男女双方に原因がみつかる場合もあります。
そのため、不妊について考えるときには、女性だけでなくご夫婦・パートナーお二人で検査を進めていくことが大切です。
男性不妊では、どのようなことを調べるの?
男性側の検査として、まず行われることが多いのが「精液検査」です。
精液検査では主に、
✅精液量
✅精子濃度(精子の数)
✅精子運動率
✅精子の状態
などを確認します。
「精子がいるか、いないか」だけを調べる検査ではありません。
精子の数や動きなどを確認することで、今後どのような方法で妊娠を目指していくかを考えるための大切な情報になります。
精液の状態は、体調や睡眠、ストレス、発熱などによって変化することがあります。そのため、一度の検査結果だけでは判断せず、必要に応じて再検査を行うこともあります。
産婦人科でも男性の検査はできます
「男性は泌尿器科に行かないと検査できないの?」と思われるかもしれませんが、
産婦人科・不妊治療施設でも精液検査を行っているところがあります。
当院でも、男性の精液検査を行い、精子の数や運動率などを確認することができます。
一方で、当院では男性不妊そのものに対する投薬や手術などの専門的な治療は行っていません。
精液検査の結果などから男性側の詳しい検査や治療が必要と考えられる場合には、泌尿器科や男性不妊を専門とする医療機関での診察をご案内することがあります。
「男性の治療ができない=男性について何も調べられない」ということではありません。
まずお二人の状態を確認し、必要な治療へつなげていくことも、産婦人科でできる大切な役割のひとつです。
精子の数が少なくても、妊娠を目指す方法があります
精液検査で精子の数が少ない、運動率が低いなどの結果が出たからといって、それだけで妊娠を諦める必要はありません。
✏️女性側の年齢や検査結果
✏️精子の状態
✏️これまでの治療経過など
を総合的にみながら、
🍀タイミング法
🍀人工授精(AIH)、
🍀体外受精(IVF)
当院では、🍀顕微授精(ICSI:イクシー)
など、適した方法を検討していきます。
顕微授精は、
採取した精子の中から精子を選び、細い針を使って卵子の中に1個の精子を注入し、受精を助ける方法です。
精子の数が少ない場合や運動率が低い場合、通常の体外受精では受精が難しいと考えられる場合などに検討されることがあります。
ただし、精液検査の数値だけで治療方法が決まるわけではありません。女性側の状態も含め、お二人にとって適切な方法を考えていくことが重要です。
「まず女性だけ検査」ではなく、お二人で一緒に
不妊治療では、女性は採血や超音波検査、卵管の検査など、さまざまな検査を受けることがあります。
その一方で、男性側の検査が後回しになってしまうことも少なくありません。
しかし、女性側の検査や治療を続けたあとで男性側の要因がわかると、それまでの治療方針を見直す必要が生じることもあります。
だからこそ、妊娠を希望して受診される際には、女性だけではなく、できるだけ早い段階から男性側についても確認しておくことが大切です。
❓「まだ不妊治療をするか決めていない」
👫「まずは自分たちの状態を知りたい」
🧍🏻「夫の精子についても一度調べてみたい」
そんな段階でも構いません。
不妊治療は、どちらか一人だけが頑張るものではありません。
当院では女性側の検査・治療だけでなく、男性の精液検査も行い、その結果を踏まえて、お二人に合った妊娠への方法を一緒に考えていきます。
男性側の専門的な治療が必要な場合には適切な診療科へつなぎながら、人工授精や体外受精、顕微授精(ICSI)なども含め、「お二人の治療」として妊娠を目指していくことができます。
「男性も検査したほうがいいのかな?」と思ったら、まずはお気軽にご相談ください。
根本産婦人科医院 院長 根本 央

